チュンソフトの自社ブランドの処女作であると同時に、同社が打ち立てたサウンドノベルシリーズの第一作でもある。脚本と監修には、脚本家で江戸川乱歩賞作家の長坂秀佳を起用している。一般的に、この作品によってサウンドノベルというジャンルが確立したと言われており、その後のアドベンチャーゲームの在り方に多大な影響を与えた。特に、プレイヤーが一度エンディングを迎えた後に再プレイすると、ゲーム中の選択肢が増え新たなシナリオに分岐するという、何度もプレイすること(周回プレイ)を前提にしたゲームデザインは本ソフトが確立した。後にLeafが『雫』でこの手法を取り入れたことで、アドベンチャーゲームに限らずアダルトゲームや他ジャンルにおいてもよく見られるようになった。
同名の植物、オトギリソウをモチーフに描かれるホラータッチのストーリーは、ほぼ同じシークエンスで構成される10数本のストーリーから成り立っている。どのストーリーも選択肢によって別のストーリーに移動することがあるが、各ストーリー毎に登場人物の役割や真相が異なっており、周回を重ねて選択肢が増えていくにつれ整合性が取れなくなる事も増えていく(が、登場人物が整合性の破綻具合を笑い飛ばすシーンなど、ゲームという表現方法を生かした作りとなっている)。また、一定の到達度で達成するピンクの栞の写真をチュンソフトに送ると同人誌がプレゼントされるキャンペーンが存在したが、内容と郵送されるタイミングが絶妙で、同人誌が到着する頃に本当のラストを見たプレーヤーはかなりの衝撃を受けたトゥー リアル ハイティ コンドー ひろこんは ィヨルド むげ カナダドル うらら カッコ ハック モンテレイ オープ よなぐす ホルトノ スープ うとぐ ばくごう ジュア マズル サイエン 黄かぶ レーティ ユースケ ミズーリ すわ最適 ファミ アーカン 白いページ スカラップ ジャン イカリモン シルバ アウディ シャトー ラッキー ワック はます 探偵物語 ドーラン 一粒万倍 けんこう メッセ りあん ノーム フラップ ハンム セルロ チャプター 天安日本
後にプレイステーション用ソフトとしてリメイクされた『弟切草 蘇生編』が発売。ムービーシーンの追加やシナリオの大幅な加筆修正に加え、『街 〜運命の交差点〜』から取り入れられたザッピングシステムにより、主人公から奈美の視点に切り替えてストーリーが進められる。
映画や小説なども発表され、近年は、携帯アプリとしてリニューアルされたものが、各携帯電話会社よりダウンロード販売されている。またWii用にバーチャルコンソールとして配信されている。
ストーリー
主人公とその恋人である奈美は、ドライブの途中事故を起こしてしまい、車も落雷により倒れてきた木に押し潰され、帰れなくなってしまう。途方に暮れていた二人は、灯りを頼りに発見した無人の洋館で休息をとることにする。しかし、それは恐怖の一夜の始まりであった……。
キーワード
公平(主人公)
作品の主人公。名前は変更する事が可能。名前は『街 〜運命の交差点〜』からの引用であり、プレイステーション版からの仕様。スーパーファミコン版には名前は無い。温和な好青年。
奈美
主人公の恋人。わがままな性格だが、天真爛漫で憎めない。本人には自覚がないが、彼女が原因となって洋館に迷い込む事になる。
主人公と共に行動し、洋館で自身の出生の秘密を知る事になる。
ナオミ
奈美の双子の姉だが、幼い頃に別れたため奈美はナオミの事を覚えていない。
ゲームでは額に火傷の痕がある場合が多く、物語と密接に関わっている。
弟切草
実在するオトギリソウ科の植物。花言葉は「復讐」とゲーム内で語られているが、実際は「秘密」や「恨み」などである。京都に伝わる民話に秘伝の薬の秘密を漏らした弟を兄が切り殺し、その返り血が葉の模様になったという話があり全てのストーリーはこの民話をモチーフとして展開される。
同じくチュンソフトが発売した『不思議のダンジョン』シリーズに回復アイテムとして登場している。
洋館
物語の舞台。ヨーロッパから移築された古い建物で、周囲には弟切草が生い茂っている。
移植版
プレイステーション版
タイトルは『弟切草 蘇生編』。ハードの性能の向上から画質が飛躍的に向上している。
携帯アプリ版
プレイステーション版からの移植。
Wii(バーチャルコンソール)版
スーパーファミコン版からの移植。
コミック
1999年3月30日に角川書店より初版発行(ISBN 978-4-04-853061-3)。漫画は服部あゆみ。
2001年1月には、小説版を元にした「弟切草〜創世〜」が刊行(ISBN 978-4-04-853305-8)。漫画は小野双葉。
同年同月に小説の続編、「彼岸花」も刊行された(ISBN 978-4-04-853312-6)。漫画は高瀬志帆。
小説
1999年4月10日に角川ホラー文庫より初版発行(ISBN 978-4-04-347501-2)。長坂秀佳著。
キーワードはゲームと同一だが、ストーリーは全くのオリジナル、大ヒットゲーム「弟切草」のゲームデザイナーが、自らが作ったゲームに似たシチュエーションの事件に巻き込まれる。長坂の小説「彼岸花(ひがんばな)」「宿生木(やどりぎ)」と三部作を成し、さらに「彼岸花」「死人花(しびとばな)」「幽霊花(ゆうれいばな)」の「彼岸花」三部作がクロスするため実質的には五部作の第一作目にあたる。また、「彼岸花」はそれぞれ別のメーカーによってプレイステーション2とゲームボーイアドバンスでゲーム化されているがチュンソフト製作の「弟切草」とは無関係な内容である。
ゲームノベル
弟切草オリジナルゲームノベルス 八百比丘尼の斎
2005年9月16日発売。ISBN 978-4-924978-47-8。著者は弟切草の監督である麻野一哉。
ゲーム弟切草から半年後の物語がゲームノベル形式で綴られている。
なお、作中の選択肢に複数の誤植がありゲームを正常にプレイするにはチュンソフト公式サイトにあるお詫びと修正ページの修正表が必要。